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トゥルッリとは、南イタリアのプーリア州、 "ムルジャデイトゥルッリ"と呼ばれる地域で見られる、 伝統的で独特な建築様式の家屋です。アルベロベッロには、 このトゥルッリが密集した2つの地域、 モンティ地区とアイアピッコラ地区があり、 その珍しい町並を見ようと、 世界各地から多くの観光客が訪れます。 |
トゥルッリは、「とんがり屋根」が 特徴的な石造りの建物です。 本来白色のとんがり屋根は、長い年月を経て濃灰色となり、 建物の白壁と見事なコントラストを見せてくれます。 |
トゥルッリの建築に使われているのは、
アルベロベッロを中心とした周辺域の地下地層で採掘される石で、
石灰質を豊富に含んでいます。密度が非常に高いので、
硬く、重いのが特徴的です。 |
屋根に使われている石は、 キアンコレと呼ばれ、地下の比較的浅い場所で採れます。 この石は層状に圧縮された岩盤なので、水平に剥がれやすい 性質を持っています。 |
平均80cm〜1mと分厚いトゥルッリの壁は、 外気を遮断し、「夏涼しく冬暖かい」快適な住環境を与えてくれます。 出入り口や窓を小さくする事で、その効果を一層高めています。 | トゥルッリの屋根は、二重構造になっています。 内側に大きめの石を積み、外側に、板状に加工したキアンコレを鱗状に積みます。 最上部は、円形の石で塞いだ後、飾り石を載せて仕上げます。 |
トゥルッリの屋根の傾斜は、雨水を素早く排出出来ます。 トゥルッリに降った雨は、屋根の周囲の溝から雨どいを伝い、 トゥルッリ外部の井戸に落ち、屋内床下の貯水槽に貯まります。 | 通常、一軒のトゥルッリは複数のとんがり屋根を持ち、 とんがり屋根の数は、その家の部屋の数と 一致します。室内は分厚い板で上下に仕切られ、上部は屋根裏部屋として 利用されました。 | 狭い空間を有効に使うために、厚い壁にニッキア と呼ばれる四角い窪みを彫り、物入れとして活用しました。 台所では食器棚や食料保存庫として、 寝室では洋服ダンスとして利用されました。 |
トゥルッリの屋根に描かれた書かれた紋章は、 原始紋章、十字紋章、呪術紋章に大分されます。 自身の信じる神を崇め、願いや、希望を託し、 最も目立つ屋根に描いたのが始まりです。 |
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